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ほうれい線は遺伝する?専門クリニックDrが解説

歳を重ねるにつれ、顔立ちがご両親に似てきたあなたは今、「ほうれい線も遺伝して、できやすいのかな」と不安を抱えていませんか?

すでに、ご両親と似たほうれい線ができつつある方は、「このまま自分の親と同じような深いほうれい線にならないために、何かできることはないか」と思っているのではないでしょうか?

実は、このほうれい線、遺伝的な要因が大きく関わっています。

ただ、遺伝するからと諦める必要は全くありません。

なぜなら、「自分は遺伝によりほうれい線ができやすい」とわかった段階で、早めに対策ができるからです。

また、ほうれい線は、全てが先天的な資質で決まるわけではありません。

生活習慣もほうれい線の進行に大きく関わっています。

だからこそ、気になり出した時からの早めの対策が今後を大きく左右します。

今回は、美容皮膚科医の視点から、ほうれい線と遺伝の関係性や生活習慣やスキンケアでの予防や改善策までご説明します。

この記事を読んでいただくことで、ほうれい線が遺伝するという事実があったとしても、ほうれい線に悩まずに済むような未来が得られるきっかけになればと思います。

著者:ほうれい線治療専門クリニック
福岡Shiwa美容皮膚科 院長 
平島梨絵 ドクター紹介はこちら>

遺伝によるほうれい線の特徴

ほうれい線の深さや出現時期は、遺伝によって決定される顔の骨格や皮膚の性質によって大きく影響を受けるため、「ほうれい線は遺伝する」というのは、決して間違いではありません。

遺伝がほうれい線の深さや出現時期に影響を与える主なメカニズムは、大きく分けて2つあります。

顔の骨格

顔の骨格は遺伝によって受け継がれる要素の一つであり、ほうれい線ができやすいかどうかを決定づける重要な要因です。

特に以下のような骨格の特徴を持つ人は、ほうれい線が目立ちやすい傾向があります。

  • 頬骨の位置が低い、もしくは小さい頬の脂肪や皮膚を支える土台が弱くなり、ほうれい線の上の皮膚のたるみが起こりやすい
  • 下顎が小さく後退しているフェイスラインがスッキリせず、口元の皮膚がたるみやすくなる
  • 鼻の付け根が低い口周りの筋肉の支持力が弱まり、ほうれい線が目立ちやすくなる

<骨格が原因のほうれい線の例>

骨格が原因のほうれい線

皮膚の弾力性や厚さ

皮膚のハリを支えるコラーゲンやエラスチンの量や質は、遺伝子によって大きく決定されます。

また、皮膚の老化速度にも遺伝的な影響があります。

  • コラーゲンの生成量が少ない皮膚のハリが低下し、早い段階でたるみが進行する
  • エラスチンが不足している、または質が低い皮膚の弾力が弱まり、ほうれい線が刻まれやすくなる
  • 皮膚が薄いタイプ外部刺激の影響を受けやすく、ほうれい線が深くなりやすい
  • 皮膚が乾燥しやすいタイプ → 肌の水分保持能力が低い家系の場合、ハリを保つ力が弱くなることでほうれい線が深くなるリスクが高まる

これらの特徴を持つ場合、20代後半から30代にかけて早くもほうれい線が目立ち始めることがあります。

親が若い頃からほうれい線が目立っていた場合、その傾向を受け継いでいる可能性が高いです。

<皮膚のハリがないことによるほうれい線の例>

皮膚のハリがないことによるほうれい線

遺伝以外の要因

遺伝的な要因がほうれい線の形成に影響を与えることは確かですが、それは決して唯一の原因ではありません。

多くの場合、遺伝的素因に加えて、後天的な要因が複雑に絡み合ってほうれい線が形成されます。

ここでは、遺伝以外の主要な要因について詳しく解説します。

加齢変化

加齢に伴い、皮膚のコラーゲンやエラスチンの生成量は減少します。

これにより、皮膚の弾力性が低下し、たるみが生じやすくなります。

特に、顔の皮膚は薄くデリケートなため、加齢による変化の影響を受けやすい部位です。

ほうれい線は、皮膚のたるみが重力によって下垂することで形成されるため、加齢はほうれい線の深さに直結する重要な要因となります。

紫外線

紫外線は、皮膚の老化を加速させる主要な要因の一つです。

長期間にわたる紫外線照射は、コラーゲンやエラスチンの分解を促進し、皮膚の弾力性を低下させます。

これにより、皮膚のたるみ、シワ、シミなどを引き起こし、ほうれい線の悪化を招きます。

生活習慣

睡眠不足や不規則な生活、偏った食生活、喫煙などは、肌のターンオーバーを乱し、コラーゲンの生成を阻害します。

また、表情筋の衰えもほうれい線を深くする原因の一つです。

普段から笑顔を意識したり、表情筋を鍛える体操を行うなど、意識的な努力も効果的です。

ストレスも肌の状態に悪影響を及ぼすため、ストレスマネジメントも重要です。

顔の筋肉の衰え

顔の筋肉は加齢とともに衰え、皮膚や脂肪を支える力が低下することでたるみが生じます。

顔の筋肉の中でも 口輪筋が衰えると、口角が下がりやすくなり、ほうれい線がより深く刻まれる原因となります。

さらに、口元の筋力が低下することで、頬の脂肪を十分に支えられなくなり、頬がたるむことでほうれい線が強調されるのです。

口周りの筋力の衰えは、食事中によく噛まない人や、やわらかいものばかり食べる人に多い傾向があります。

また、スマホやパソコンを長時間使用し、無表情の時間が長くなることも筋力低下を加速させる原因の一つです。

顔の筋トレはほうれい線に対して悪化を招く可能性もありますので、行う際には十分ご注意ください。

乾燥肌

乾燥肌は、皮膚の弾力性を低下させ、ほうれい線を目立たせやすくなります。

皮膚の乾燥を放置しておくことで、乾燥ジワの原因にもなりますので、適切な保湿ケアを行うことが重要です。

体重の変動

急激な体重減少は、顔の脂肪が減ることにより、頬のボリュームが減り、皮膚のたるみを招いた結果、ほうれい線を悪化させる場合があります。

また、逆に体重が増えた場合には、頬についた脂肪の重みにより、皮膚が折り込まれることでシワやほうれい線が生じます。

遺伝か生活習慣か?セルフチェック方法

ご自身のほうれい線が遺伝によるものなのか、生活習慣などの後天的な要因によるものなのか、いくつかのセルフチェックポイントをご紹介します。

これらのセルフチェックを通して、遺伝的な要因と後天的な要因のどちらが自身のほうれい線の形成に大きく関わっているのか、ある程度の推測が可能になります。

遺伝的要因によるほうれい線リスクチェック

もし以下ような特徴に当てはまる場合、遺伝的にほうれい線ができやすい可能性があるため、早めのケアが重要になります。

□ 親が若いうちからほうれい線が目立っていた

□ 肌が乾燥しやすく、ハリが失われやすい

□ 顔の脂肪が少なく、皮膚が薄い

□ 同年代の人と比べてシワやたるみができやすい

家族の確認

ご両親や祖父母の若い頃の写真を確認してみてください。

若い頃の写真と現在の状態を比較することで、年齢を重ねるにつれてほうれい線がどのように変化してきたかを確認できます。

両親や祖父母に若い頃から深いほうれい線があった場合、遺伝的な影響が強い可能性が高いです。

逆に、ご家族にほうれい線が比較的少ない場合は、遺伝的な影響は少ないと考えられます。

生活習慣の確認

長時間のスマホの操作やパソコン作業による猫背の習慣、睡眠不足、紫外線対策の不足、偏った食生活喫煙など、ほうれい線の悪化につながる可能性のある生活習慣をしていないか、確認してください。

これらの生活習慣が顕著な場合、後天的な要因が大きく影響している可能性があります。

肌質の確認

生まれつき乾燥肌で、ハリや弾力に欠ける場合は、遺伝的な要因が影響している可能性があります。

一方、若い頃は肌のハリや弾力があったものの、加齢や生活習慣によって肌の質が変化してきた場合は、後天的な要因が強まっていると考えられます。

生活習慣で予防する方法

生活習慣

ほうれい線の深さは、遺伝的な要因だけでなく、生活習慣の影響も大きく受けます。

遺伝的な要因があっても、正しい生活習慣を心がけることで、ほうれい線の発生を遅らせたり、その深さを浅く保つことは十分可能です。

姿勢

猫背は顔の筋肉に負担をかけ、ほうれい線を深くしてしまう原因となります。

常に背筋を伸ばし、美しい姿勢を意識しましょう。

食事

偏った食事は肌のハリや弾力を低下させ、ほうれい線が目立ちやすくなります。

ビタミンCやコラーゲンを豊富に含む野菜や魚を積極的に摂取し、バランスの良い食事を心がけましょう。

特に、抗酸化作用のあるビタミンCは、紫外線による肌へのダメージを軽減し、ほうれい線の予防に役立ちます。

また、糖分が多い食事は、肌のコラーゲンやエラスチンを硬化させたり、肌の保湿力を低下させるなどの肌への悪影響があります。

睡眠

睡眠不足は体の修復機能を低下させ、肌のターンオーバーを乱し、ほうれい線の悪化につながります。

7~8時間程度の睡眠時間を確保しましょう。

表情

無意識のうちに同じ表情を繰り返すことで、顔の特定の筋肉が緊張し、ほうれい線が刻まれやすくなります。

笑顔は良いですが、口角を上げすぎるクセや、眉間にしわを寄せるクセなどには注意が必要です。

鏡を見て自分の表情を意識的にチェックし、クセを改善しましょう。

スキンケアで予防する方法

スキンケア

遺伝的な要因がほうれい線の深さに影響を与えることは事実ですが、適切なスキンケアによってその進行を遅らせることは可能です。

年齢を重ねるごとに減少するコラーゲンやエラスチンを補い、肌のハリや弾力を維持することが重要です。

効果を実感するには時間がかかる場合もありますので、根気強く続けることが大切です。

また、一度できてしまったほうれい線を、スキンケアだけで改善させることは難しいです。

保湿

乾燥は肌の老化を加速させ、ほうれい線を深く見せる原因となります。

たっぷりの水分を含んだ化粧水や美容液を使用し、肌の水分量を保つことを心がけてください。

具体的な成分としては、セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分配合の製品を選ぶことをお勧めします。

これらの成分は、肌の水分保持機能を高める効果があります。

紫外線対策

紫外線は肌の弾力低下やシワの生成を促進する大きな要因となります。

毎日、SPF30以上、PA+++以上の紫外線カット効果のある日焼け止めを塗布し、日傘や帽子を併用して、紫外線から肌を守りましょう。

曇りの日や室内でも、紫外線は降り注いでいますので、油断せずに紫外線対策を行うことが大切です。

酸化対策

抗酸化作用のある成分配合のスキンケア製品を使用することで、肌の酸化によるコラーゲンとエラスチンの破壊を防ぎます。

レチノールやビタミンC誘導体などは、肌のターンオーバーを促し、コラーゲン生成をサポートする働きがあります。

肌のハリや弾力を向上させ、ほうれい線の予防に繋がります。

ただし、レチノールは肌への刺激が強い場合もありますので、使用開始時は少量から始め、様子を見ながら使用頻度を調整してください。

また、ご自身の肌質に合ったケア方法をすることで、より効果的に対策ができます。

美容医療を活用し予防する方法

美容医療

遺伝的な要因が強いと感じる方や、より積極的にほうれい線の予防・改善に取り組みたい方には、美容医療をお勧めします。

それぞれの治療ごとでメリット・デメリットがあるので、ご自身の年齢、肌質、予算、そして期待する効果などを踏まえて検討することが重要です。

早期からの適切な介入は、ほうれい線を予防する観点だけでなく、将来的な老化対策の上でも、非常に有効です。

グロースファクター

グロースファクターとは、加齢により失われた皮膚のコラーゲンを生成させる細胞に働きかけるタンパク質です。

1回10分の治療で、10年以上の効果が持続します。

また、ほうれい線の治療だけでなく、コラーゲンの生成を促すことで、老化に対して根本から改善・治療できるのが特徴です。

<グロースファクター治療の実例>

グロースファクター治療実例①

グロースファクター治療実例②

ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸とは、もともと私たちの体の中に存在している粘度の高い成分です。

ほうれい線に直接注入することで、シワやほうれい線を浅くする治療です。

効果はすぐに現れますが、その効果は一時的なもので、12年おきに定期的な注入が必要となります。

<ヒアルロン酸治療の実例>

ヒアルロン酸治療実例①

ボトックス注射

表情筋の動きを抑制することで、顔を動かした時に現れるほうれい線を予防または改善する治療です。

そのため、真顔のシワに対しては効果が期待できません。

また、ヒアルロン酸同様に、効果は一時的なもので、約半年毎の定期的な治療が必要です。

糸リフト

これは、特殊な糸を皮膚の下に挿入することで、たるんだ皮膚を引き上げ、ほうれい線を改善させる施術です。

効果は1年〜1年半と比較的長持ちしますが、ヒアルロン酸注入やボトックス注射と比較すると、施術時間も長く、ダウンタイムも考慮する必要があります。

よくある質問

ほうれい線は遺伝で決まるのか?または後天的な要因が大きい?

ほうれい線の形成には、遺伝と後天的な要因の両方が影響します。

骨格や皮膚の質などの遺伝的要素が基盤となりますが、ライフスタイルによってほうれい線の出現時期や深さは大きく変わります。

例えば、紫外線対策をしているか、表情筋を使う機会が多いかなどの違いが、ほうれい線の目立ちやすさを左右します。

兄弟や姉妹でほうれい線の出方が違うのはなぜ?

兄弟や姉妹であっても、遺伝の影響の受け方には個人差があります。

また、喫煙習慣・食生活・表情のクセ・スキンケア習慣などの生活習慣の違いによって、ほうれい線の出方が変わることもあります。

無表情の時間が長い人は、筋肉の衰えが進みやすく、ほうれい線が深くなる可能性が高まります。

逆に、笑顔が多い人は表情筋が発達し、ほうれい線が目立ちにくい傾向がありますが、真顔に戻っても消えないほうれい線は老化の兆候として注意が必要です。

20代でほうれい線が目立つのは遺伝のせいか?

20代でほうれい線が目立つ場合、おもに骨格的な遺伝の可能性が高いです。

しかし、ほうれい線ができる原因としては、遺伝だけでなく、生活習慣やスキンケア不足などの後天的な影響もあります。

20代女性ほうれい線治療症例

ほうれい線対策として、美容医療を受けるのはいつがベストか?

美容医療は早めに始めたほうが効果を実感しやすいため、ほうれい線が気になり始めた段階がベストな時期です。

いつ治療しなければならないという決まりは特にありません。

しかし、若々しいお顔の方が、気分がいいのは間違いありません。

実際に当院に来院される方の中には、人から言われて気になったとか、オンライン会議の時に画面に映る自分の顔を見て気になったという方が多いです。

まとめ

ほうれい線の深さや現れ方には、遺伝的な要因が確かに影響します。

しかし、それは決して諦める理由にはなりません。

適切なスキンケア、生活習慣の改善、そして必要に応じて美容医療を活用することで、遺伝的な影響を最小限に抑え、より若々しい印象を保つことが可能です。

遺伝によるほうれい線の出現に不安をお持ちの方や、すでにご両親と似たほうれい線が生じている方は、一度当院にお気軽にご相談ください。

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