年齢を重ねるにつれて、鼻横のシワが目立ってきて気になっており、「もう元には戻らないのかな…」と不安に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
あるいは、「原因や改善方法を知り、治せるものなら治したい」と思われている方もいらっしゃるでしょう。
鼻の横のシワは、鼻の横の「くぼみ」から始まり、動かすたびに深くなってしまったものです。
皮膚の老化が大きく関わっています。
実は、鼻横のシワを改善することができるいくつかの治療法があります。
その治療法は、当院では数多く行っていますが、肌の老化に根本的に働きかける方法ですので、1回の治療で長期的に改善させることができます。
この記事では、鼻横のシワの原因や治療法について解説しています。
さらにすでに鼻横のシワができてしまっている方の改善方法だけでなく、日常生活で注意することで鼻横のシワの出現時期を遅らせたり、予防するためのセルフケアについてもお伝えいたします。
最後まで読んでいただき、鼻横から解放され、若々しさを維持していただくきっかけになればと思います
著者:ほうれい線治療専門クリニック
福岡Shiwa美容皮膚科 院長
平島梨絵 ドクター紹介はこちら>
鼻横のシワの基本知識と特徴
鼻横のシワとは?
鼻横のシワは、鼻の横から口角に向かって伸びるシワです。
ほうれい線の一部と考えてもよいです。
鼻横のシワが目立つ年齢
30代後半から40代にかけて、出ることが多いです。
それよりも若い方でも表情のクセや生活習慣によっては、鼻横のシワが生じる場合があります。
50代以上になると、鼻横のシワが深くなり、目立ってくることが多いです。
鼻横のシワが与える印象
鼻横のシワは、見た目年齢を高く見せるだけでなく、疲れた印象や老けた印象を与えてしまう可能性があります。
特に、深く刻まれたりしていると、顔全体の印象が暗く、老けて見えてしまいます。
鼻横のシワは、ほうれい線ほど深刻な老け印象を与えないですが、深く刻まれると顔の印象を大きく変えてしまうこともあります。
一方で、浅く、控えめな鼻横のシワは、むしろ親しみやすさや温かさを感じさせる場合もあります。
これは、シワの深さや数、そして全体の顔の印象とのバランスによって大きく変わるため、一概に悪い影響とは言えません。
鼻横のシワのタイプと特徴
鼻横のシワには、大きく分けて「浅いシワ」「深いシワ」「短いシワ」「長いシワ」などのタイプがあります。
タイプによって治療範囲が異なることもあります。
浅いシワ
主に乾燥や一時的な表情筋の動きによって生じるもので、比較的改善しやすい傾向があります。
保湿ケアを重点的に行うことで様子を見てもよいです。
深いシワ
長年の紫外線ダメージや加齢による肌の老化が原因で、刻み込まれたシワです。
また、セルフケアでは太刀打ちできない状態です。
美容医療による改善は可能ですが、完全に治り切らずに残ることがあります。
短いシワ
比較的局所的なもので、ピンポイントなケアが有効です。
長いシワ
広範囲にわたる場合が多く、総合的なケアが必要になります。
鼻横のシワの5つの原因
加齢や生活習慣による皮膚の老化
30代を過ぎると、肌の真皮層にあるコラーゲンとエラスチンの減少が徐々に進んできます。
40代では、それが顕著になってきます。
コラーゲンは肌にハリと弾力を与え、エラスチンは肌の伸縮性を保つ重要な成分です。
これらの減少により、肌がたるみ、鼻横のシワが出現します。
コラーゲン・エラスチンの減少を加速させる要因として、紫外線や食事(特に糖質)、睡眠不足、ストレスなどの生活習慣があります。
睡眠不足は、肌のターンオーバーを乱し、鼻横のシワの悪化につながります。
頬の皮下脂肪の厚み
加齢による鼻横のシワの悪化には、重力による皮膚のたるみによる圧力が大きく関わっています。
若い頃は肌のハリと弾力によって支えられていた皮膚も、コラーゲンやエラスチンの減少、皮下脂肪の減少によってその支えを失っていきます。
特に頬の厚みがある場合、重力が強くなり、鼻横を圧迫します。
それが鼻横のシワを促進する要因となります。
表情筋の使い方の癖
毎日繰り返される表情によって、特定の筋肉が過剰に収縮し、鼻横のシワを形成することがあります。
例えば、笑う時などに、鼻の周りの筋肉が強く収縮すると、その部分に繰り返し折り目ができます。
これが長年続くことで、肌の弾力が低下し、シワとして定着してしまうのです。
まれに顔の筋トレのやりすぎでほうれい線やしわが生じることがありますので、注意が必要です。
皮下脂肪の減少
皮下脂肪の減少が起こった時、皮膚が余るので、たるんだ皮膚が鼻の横にかぶさることで、シワになりやすい状態になります。
乾燥
乾燥した肌はバリア機能が低下し、外的刺激を受けやすくなり、シワになりやすい状態になります。
また、加齢とともにターンオーバーは遅くなり、古い角質が蓄積し、小ジワができやすくなります。
肌の表面がゴワゴワ、ザラザラとした状態になり、鼻横の色が濃く見えることがあり、シワがさらに深く見える原因になります。
遺伝的な骨格や肌質
鼻横のシワの深さや現れ方には、遺伝的な肌質や骨格も大きく関わっています。
身内の方に鼻横のシワが目立つ方が多い場合、遺伝的な要因が強い可能性があります。
これは、肌の構造や骨格、コラーゲン・エラスチンの生成能力に遺伝的な差異があるためです。
ご家族に同じ悩みを持つ方がいる場合は、より早期からのケアが重要になります。
特に骨格的に鼻横のくぼみが深い場合は、若い時から鼻横のシワが出やすくなります。
自宅でできる鼻横のシワ対策
乾燥対策
ヒアルロン酸やセラミド配合の保湿クリームは、肌の水分をしっかりキープしてくれます。
また、高濃度ビタミンC誘導体やレチノール配合のクリームもお勧めです。
前者はコラーゲン生成を促進し、肌のハリや弾力を向上させる効果があります。
その他、シワの改善だけでなく、くすみにも効果的で、透明感のある肌へと導いてくれます。
レチノール配合のクリームは、肌のターンオーバーを促進し、小ジワを改善する効果が期待できます。
運動
長期的に見て、運動不足は、血行不良を招き、皮膚の老化につながります。
激しい運動でなくても、軽いウォーキングやストレッチからでよいです。
毎日30分程度の散歩を習慣にするだけでも、血行が改善し、肌の代謝もアップします。
日焼け止め
鼻の横は紫外線のダメージを受けやすく、シワができやすい場所です。
正しい日焼け止めクリームの使い方を知って、紫外線から肌を守りましょう。
糖質を避け抗酸化物質の摂取する
肌の老化を防ぐとされるビタミンC、ビタミンE、そしてコラーゲン生成を助けるビタミンAを豊富に含む食品を積極的に摂ることをおすすめします。
その他、特に取り入れたいのが抗酸化作用の高い食材です。
肌の老化を促進する活性酸素のダメージを軽減できます。
反対に、糖質の摂りすぎは、肌の糖化を促進し、シワやたるみの原因となるため注意が必要です。
睡眠での対策
睡眠不足も血行不良の原因となります。
質の良い睡眠をしっかりとることで、体の修復機能が働き、肌のターンオーバーも正常に行われます。
質の良い睡眠を確保する環境づくりを心がけ、毎日7~8時間の睡眠を目標に、規則正しい生活を送りましょう。
ストレスを避ける
ストレスを抱えていると、自律神経のバランスが乱れ、ホルモンバランスにも影響が出ます。
ホルモンバランスの乱れは、肌の乾燥やハリの低下を招き、結果的に鼻横のシワの悪化につながることがあります。
さらに、ストレスは、体内に活性酸素を増加させ、肌の老化を促進します。
活性酸素は、コラーゲンやエラスチンを破壊する作用があり、鼻横のシワの悪化原因となります。
長時間の下向きの姿勢を避ける
スマートフォンやパソコンなどのデジタルデバイスの使用をあまりにも長時間使用すると、重力によって顔の皮膚が下に引っ張られ、鼻と頬の間の皮膚が折り畳まれやすくなります。
この状態が長時間続くと、鼻横のシワが刻まれてしまいます。
美容医療による鼻横のシワ治療
スキンケアやメイクで工夫しても、なかなか改善しない鼻横のシワは、美容医療の力で効果的に改善できる可能性があります。
グロースファクター注入
グロースファクターは、加齢や生活習慣で減ったコラーゲンの生成を促進し、シワを改善させる根本治療です。
1回10分で長期維持され、繰り返しが不要なのが特徴です。
ヒアルロン酸注射
ジェル状のヒアルロン酸を皮膚の下に注入することで、ボリュームを与え、シワを目立たなくします。
効果は一時的ですが、施術後すぐに効果が実感できるほど即効性があります。
ボトックス注射
ボトックス注射は、表情筋の動きを一時的に弱める効果があります。
鼻横のシワをはじめとする「表情ジワ」を改善する治療法です。
特に、笑った時にできる鼻横のシワは、ボトックス注射が効果的です。
レーザー・HIFU(ハイフ)
レーザー治療では、肌の深層部をターゲットにレーザーを照射することで、肌のターンオーバーを促進し、コラーゲン産生を活性化させる治療です。
これにより、シワの改善だけでなく、肌のキメや毛穴の改善にも効果が期待できます。
ただし、グロースファクター・ヒアルロン酸のようなシワに直接効かせる治療よりは効果は弱いと言えます。
糸リフト
糸リフトは、特殊な糸を皮膚の下に挿入し、たるんだ皮膚をリフトアップする治療法です。
鼻横のシワは、加齢による皮膚のたるみに関係しています。
糸リフトでは、たるんだ皮膚を内側から持ち上げることで、鼻横のシワを目立たなくさせる効果が期待できます。
ただし、皮膚の老化に対するアプローチではないため、糸リフトによる鼻横のシワ改善には限界があります。
また、後戻りがあるというデメリットがあります。
貴族手術(プロテーゼ)
口の中からシリコンを入れて、鼻横を持ち上げる治療です。
皮膚自体は改善していませんので、動かした時にはシワが寄りやすい状態は変わりません。
また、感染が起こった場合、抜去手術が必要になります。
鼻横のシワに関するよくある質問(Q&A)
鼻横のシワが一度できると治らない?
生活習慣のダメージの蓄積の量によって異なりますが、早めに適切なケアを行うことで、鼻横のシワの深さや目立ち方を軽減することは十分可能です。
一般的に、50歳になるまでに治療した方がきれいになることが多いです。
それ以上ですと、シワが癖になったり、マリオネットライン付近までつながることがあります。
当院でおすすめしているグロースファクター注入は、シワを改善するだけでなく、老化防止効果もありますので、治療する時期が早すぎるということはありまん。
鼻横のシワに対してヒアルロン酸注射は何回受ければ効果的?
ヒアルロン酸注射の効果や必要な回数は、シワの深さ、肌質、年齢、注入するヒアルロン酸の種類などによって大きく異なります。
そのため、一概に「何回で効果が出ます」と断言することはできませんが、多くの場合は、1回の施術ですぐに効果を実感できる場合が多いです。
比較的浅いシワであれば、1回の施術で目立たなくなり、満足できる方も少なくありません。
ただし、ヒアルロン酸は注入後、時間の経過とともに体内に吸収されていくため、徐々に効果は薄れていきます。
また、ヒアルロン酸注入で維持する場合、繰り返しが必要です。
注意すべき点として、ヒアルロン酸注入を繰り返し打った場合、血管が詰まり、皮膚壊死や失明といったまれなリスクの確立が高まってしまいます。
鼻横のシワが目立つ人と目立たない人の違いは?
目立つ人と目立たない人の違いは、大きく分けて、骨格的な遺伝や頬の厚み、鼻横の色の濃さがあります。
まず、遺伝的にお顔の中央の骨がくぼみ気味だと、鼻横の影が濃くなります。
また、頬の脂肪が増すと、影が増えます。
さらに、鼻横の色素沈着や赤みが増すと、暗い場所で見た場合に、鼻横のシワが本来の状態よりも深く見えることがあります。
若いのに鼻横のシワができるのはなぜ?
若い世代でも、生活習慣や外的要因によって、肌の老化プロセスが加速し、鼻横にシワができてしまうことがあります。
例えば、紫外線によるダメージは大きな原因の一つです。
また、乾燥も大きな要因です。
さらに、表情のクセも関係しています。
他にも、睡眠不足や不規則な生活、ストレス、偏った食生活なども、肌の老化を加速させ、鼻横にシワの原因となります。
若いから大丈夫と安易に考えていると、気づけば深いシワが刻まれてしまう可能性もあります。
男性でも鼻横のシワの治療を受ける人はいる?
男性も鼻横のシワの治療を受けている人は少なくありません。
男性の場合、女性に比べて肌の厚みが厚く、シワの改善にはより高度な技術が必要となる場合があります。
しかし、適切な治療法を選択することで、男性の方でも効果的な改善が期待できます。
一度鼻横のシワが自然に薄くなっても、また元に戻ることはある?
残念ながら、一度薄くなったシワが、元の状態に戻ってしまうことはあります。
例えば、ヒアルロン酸注入や糸リフトのような一過性の治療ではそのようなことが起こります。
また、グロースファクターでは10年以上維持されることがほとんどですが、完全に老化を止めることができるわけではありません。
これは、シワの原因が完全に取り除かれたわけではないためです。
例えば、一時的に保湿ケアを頑張った結果、シワが目立たなくなったとしても、ケアを怠ると肌の乾燥が進み、再びシワが目立つようになります。
その他、体重が増え、太った場合、ほうれい線は深くなることがあります。
まとめ
鼻横のシワは、加齢や生活習慣、紫外線ダメージ、乾燥などの要因によって生じます。
放置すると顔全体の印象を老けた感じに大きく変えてしまう可能性があり、放置しすぎると治療しても抵抗性ができてしまいます。
また、皮膚のたるみや表情のクセなどが影響し、シワが深く刻まれることもあります。
スキンケアや紫外線対策、生活改善などの自宅でできる対策を講じつつ、さらに、美容医療を活用することで、長期的な改善が得られます。
ご質問や不安点がありましたらいつでもお気軽にご相談ください。