
あなたは今、「バッカルファットを除去したいけれど、ほうれい線が悪化するかどうか知りたい」と思っていますか?
または、「バッカルファット除去をするとほうれい線が深くなると聞いて、治療を受けるかどうか迷っている」かもしれません。
「小顔になりたい」「フェイスラインをすっきりさせたい」と思って調べているうちに、バッカルファット除去という選択肢を知り、興味を持ったものの、「この施術、本当にやっていいの?」と慎重になっているのではないでしょうか?
確かに「バッカルファットを取ると顔がシャープになる」と聞いて期待していたのに、デメリットを知ると、不安になりますよね。
せっかくキレイになるために施術を検討しているのに、「逆に老けて見えてしまったらどうしよう…」と悩む気持ちはよく分かります。
たしかに、バッカルファット除去は、小顔になるのに有効な手段の一つです。
実は、バッカルファットを除去すると、頬外側がすっきりしたとしても、ほうれい線が悪化するリスクがゼロではありません。
少なくとも将来皮膚の弾力が低下した時に、口元のシワやたるみで困ることになりかねません。
バッカルファットは単なる「余分な脂肪」ではなく、顔のハリや立体感を支えるクッションの役割を果たしています。
それを安易に取り除いてしまうと、頬のボリュームが失われ、むしろ老けた印象になってしまうこともあります。
「スッキリした小顔になれる」と思って受けた施術で、結果的に「老け顔」になってしまったら本末転倒ですよね。
では、どうすれば「ほうれい線を悪化させずに小顔になれる」のか?
本記事では、ほうれい線とバッカルファットの本当の関係性を解説し、バッカルファット除去とほうれい線治療のどちらを選択すべきかについて徹底的に解説します。
その他、バッカルファット除去がもたらすリスク、ほうれい線を悪化させない施術の選び方、効果的なフェイスラインの改善方法、自宅ケアについてもお伝えいたします。
本記事を最後まで読むと、バッカルファット除去が本当に自分に必要なのか、ほうれい線を悪化させずにフェイスラインを引き締める方法が明確になります。
目次
著者:ほうれい線治療専門クリニック
福岡Shiwa美容皮膚科 院長
平島梨絵 ドクター紹介はこちら>
ほうれい線とバッカルファットの関係
バッカルファットは、頬のハリを保つ役割がある
バッカルファットとは、頬の脂肪組織を形成する脂肪体のことで、頬の丸みとハリを保つ重要な役割を担っています。
バッカルファットが少ない方は、頬がこけているような輪郭となり、健康的な顔の印象を作るためには大事なものとも言えます。
特に、若い頃はふっくらとした頬の土台を作り、若々しい印象を与えてくれます。
バッカルファットの下垂によりほうれい線が悪化する
加齢とともに顔のじん帯の衰えによって、バッカルファットの位置が下垂し、頬がたるんできます。
この下垂したバッカルファットは、ほうれい線の形成に関与します。
具体的には、下垂したバッカルファットが頬の皮膚を内側に押すことで、口角から鼻の横にかけて深い溝であるほうれい線が形成されます。
また、バッカルファットの量が多いと、より頬がたるみやすく、ほうれい線が深く刻まれやすくなります。
つまり、バッカルファットの量や位置は、ほうれい線の深さや形状に大きく影響を与えているのです。
さらに、遺伝的な要因や生活習慣、紫外線などによる肌の老化も、バッカルファットの下垂を促進し、ほうれい線を悪化させる要因となります。
この変化は、20代後半から徐々に現れ始め、30代以降に目立ってくることが多いです。
バッカルファットの下垂によるブルドッグ顔
加齢により、バッカルファットは減少するだけでなく、その位置も変化します。
若い頃は頬の高い位置にあります。
年齢を重ねるにつれて重力によって下の方、前の方に移動します。
この下垂によって、皮膚がたるんできます。
つまり、頬がふっくらとした状態から、頬が「下膨れ」となり、「頬の上方がこけて見える状態」へと変化していきます。
俗にいう、「ブルドッグ様」の顔の状態です。
同時に、前述のように、下垂したバッカルファットがほうれい線に圧力をかけ、特に下部のほうれい線が形成されます。
バッカルファットの表情筋への影響は?
バッカルファットの下垂は、表情筋にも影響するのでしょうか?
バッカルファットが下垂することで、直接的に頬の筋肉の支えが弱くなるということはありません。
バッカルファットが下がっても、表情筋の働き事態が低下することもありません。
ただし、バッカルファットが下がると、口角が下がった印象、つまり、顔全体の印象が老けて見えるようになります。
笑顔を作るときに使う口角挙筋などが衰えると、完全に真顔の状態でいることが多くなり、ほうれい線がより深く刻まれているように見えがちになります。
さらに、バッカルファットの下垂によって表情筋の動きが阻まれるということはありません。
しかし、より深いほうれい線が形成されているように見えやすくなります。
また、バッカルファットの影響により、マリオネットラインやブルドッグラインが形成されてしまいます。
それがさらに老けて見える原因となります。
遺伝的要因と生活習慣のバッカルファットへの影響
バッカルファットの位置や量、そして加齢による変化には、遺伝的な要因も大きく影響します。
両親や祖父母の顔立ちを参考にすると、自身の将来的な顔のたるみやほうれい線の深さなど、自分がなりやすいほうれい線の種類をある程度予測できる場合があります。
しかし、遺伝的な要因だけでは説明できない部分もあります。
生活習慣の中でも紫外線は、肌の弾力を低下させるため、バッカルファットの下垂を加速させます。
睡眠不足は、肌の修復機能を低下させるため、老化を促進し、ほうれい線の形成を早めます。
また、偏った食生活は、肌に必要な栄養素を不足させ、肌の弾力性を低下させる可能性があります。
バッカルファット除去によりほうれい線は改善するか?
バッカルファット除去は、一般的には、小顔効果やフェイスラインの引き締め効果があります。
では、ほうれい線の改善につながる可能性はあるのでしょうか?
実は、必ずしも全員にほうれい線改善の効果があるとは限りません。
このようなリスクやデメリットも理解した上で、施術を受けるかどうかを判断することが重要になります。
バッカルファットを除去することで、頬のボリュームが減少し、フェイスラインがスッキリし、人によっては結果としてほうれい線が改善する効果も期待できますが、これはあくまでも間接的なアプローチです。
既に深いほうれい線があり、肌のたるみが強い場合は、バッカルファット除去だけでは十分に効果を得ることが難しい場合があります。
逆に皮膚の弾力が低下している方は、ほうれい線が悪化するリスクもゼロではありません。
つまり、比較的若く、皮膚の弾力がある方はバッカルファット除去術を受けるメリットがあると言えますが、そうでない場合はデメリットが上回ることがあります。
また、若い方でも将来的なリスクにならないとも限りませんので、慎重に検討する必要があります。
ほうれい線を改善するための治療法
ここでは、バッカルファット除去以外にほうれい線改善のための治療法を説明いたします。
場合によっては、バッカルファット除去と併用をお勧めするものもあります。
グロースファクター治療でほうれい線を改善
グロースファクターとは、加齢によって減少したコラーゲンの産生を促進することで、肌のハリや弾力を回復させ、ほうれい線を目立たなくする治療法です。
これにより、肌の土台となる構造が強化され、肌のハリや弾力を向上させることでほうれい線が目立たなくなるという、根本的な治療です。
バッカルファット除去によって頬の脂肪を減少させたことにより、ほうれい線がより目立ちやすくなることがあります。
しかし、グロースファクターを注入することで、肌のハリを向上させ、バッカルファット除去による脂肪減少から生じる皮膚のたるみを補うことができます。
また、こちらの方のように自然で美しい仕上がりを目指せます。
ヒアルロン酸注入でほうれい線を改善
ヒアルロン酸は、もともと私たちの体内に存在する成分で、ほうれい線を下から押し上げることで、ほうれい線やシワを目立たなくする効果が期待できます。
肌のボリューム感をアップさせ、若々しい印象を取り戻すことも可能です。
ただし、ヒアルロン酸注入は、バッカルファットの量が多い場合、ほうれい線改善の根本的な解決にはならない場合があります。
<ヒアルロン酸注入をされた方の写真>
糸リフトでたるみを引き上げる方法
糸リフトは、特殊な糸を皮膚下に挿入することで、たるんだ皮膚をリフトアップし、ほうれい線を目立たなくする治療法です。
糸リフトは、特にたるみが原因でほうれい線が深くなっている場合、効果的に改善できる可能性があります。
バッカルファット除去で頬のボリュームが減少した後に糸リフトを行うことで、たるみを引き上げることが可能です。
ただし、糸リフトは、全ての方に適しているわけではありません。
例えば、皮膚の弾力性が著しく低下している場合や、非常に強いたるみがある場合は、効果が限定的となる可能性があります。
バッカルファット除去とほうれい線治療のどちらを選ぶべきか
美容医療を選択する場合には、ほうれい線とバッカルファットの関係性を理解した上で、それぞれの治療法を比較検討することをお勧めします。
施術の選び方
ほうれい線は、加齢による肌の弾力低下、顔の脂肪の減少、表情筋の動きなどが原因で生じます。
一方、バッカルファットは頬にある脂肪組織で、その量や位置によって顔の印象、特に頬のふくらみとほうれい線の深さに影響を与えます。
多くの場合、ほうれい線は単一の要因ではなく、複数の要因が複雑に絡み合っていることが原因です。
そのため、治療法も、ほうれい線の深さ、肌質、年齢、そしてバッカルファットの状態などを総合的に考慮して選択する必要があります。
単純にバッカルファット除去をすればほうれい線が消える、とは限りません。
例えば、比較的浅いほうれい線で、頬の脂肪が多い場合は、バッカルファット除去によって頬のボリュームが減少し、ほうれい線が少し改善する可能性があります。
しかし、既に深いほうれい線で、肌のたるみが強い場合は、バッカルファット除去だけでは不十分で、ほうれい線を直接改善させるための治療(グロースファクター治療など)が必要となるケースも少なくありません。
逆に、たるみが悪化して、口元のシワが深くなることもあるので注意です。
ほうれい線治療とバッカルファット除去の違い
どちらも顔のたるみや老化に関連する施術ですが、アプローチ方法や効果、適応が異なります。
ほうれい線治療は、ほうれい線そのものを直接的に改善することを目指します。
加齢による肌のたるみやコラーゲン減少、乾燥などが原因でできる深い溝に対して、グロースファクター注入やヒアルロン酸注入、ボトックス注射、糸リフトなどを用いて、しわを改善する、筋肉の動きを抑制する、皮膚をリフトアップするといった治療を行います。
一方、バッカルファット除去は、頬にある脂肪組織(バッカルファット)を部分的に除去することで、顔全体の輪郭をシャープに、若々しく見せることを目的とした施術です。
バッカルファットを除去することで、頬のボリュームが減少し、フェイスラインがスッキリし、結果としてほうれい線が改善する効果も期待できますが、あくまでも間接的なアプローチです。
既に深いほうれい線があり、肌のたるみが強い場合は、バッカルファット除去だけでは十分に効果を得ることが難しい場合があります。
バッカルファットを減らす4つの生活習慣
バッカルファットは頬の脂肪組織です。
この脂肪の蓄積がほうれい線の悪化や頬のたるみに繋がることがあります。
そのため、バッカルファットの量を減らす、もしくは増加を抑制するための生活習慣を身につけることが重要です。
ただし、劇的な効果を期待するのは難しいことをご理解ください。
より効果的な改善を目指すのであれば、美容皮膚科での施術と併用することをお勧めします。
1. 食生活の見直し
高カロリー・高脂肪な食事は、全身の脂肪増加を招き、バッカルファットの増加にも繋がります。
糖質の摂りすぎにも注意が必要です。
野菜中心の食事、良質なタンパク質の摂取を心がけ、バランスの良い食生活を送りましょう。
具体的には、低GI食品を積極的に摂り入れることをお勧めします。
低GI食品は血糖値の上昇が緩やかであるため、脂肪蓄積を抑える効果が期待できます。
また、過剰なアルコール摂取も控えるべきです。
2. 適切な運動
全身の脂肪を減らすためには、有酸素運動が効果的です。
ウォーキング、ジョギング、水泳など、自分に合った運動を継続的に行うことが重要です。
ただし、激しい運動は肌への負担となる可能性もあるため、無理のない範囲で行うことが大切です。
3. 質の高い睡眠
睡眠不足は、ホルモンバランスの乱れを引き起こし、脂肪の蓄積に繋がる可能性があります。
質の良い睡眠を十分に取ることで、体の修復を促進し、健康的な状態を維持しましょう。
7~8時間の睡眠を目標に、規則正しい睡眠リズムを心がけましょう。
寝る前のスマホやパソコンの使用は避け、リラックスできる時間を確保することが重要です。
4. 適切な水分補給
十分な水分補給は、新陳代謝を促進し、老廃物の排出を助けます。
1日1.5リットル程度の水分をこまめに摂ることを心がけましょう。
また、カフェインやアルコールの過剰摂取は、体の水分を奪ってしまうため注意が必要です。
予防美容としての4つのスキンケア習慣
バッカルファットの多少にかかわらずとも、年齢を重ねると、肌のハリや弾力が失われ、ほうれい線が深く刻まれやすくなります。
スキンケアを継続することで、肌のコンディションを改善し、ほうれい線の予防や改善に繋げることが期待できます。
ただし、個々の肌質や状態によって効果の出方は異なりますので、ご自身の肌に合った方法を見つけることが大切です。
1. 洗顔
ゴシゴシと強い摩擦は肌への負担となり、シワの悪化を招きます。
低刺激性の洗顔料を選び、優しく丁寧に洗いましょう。
洗顔後には、肌の水分を保つために、すぐに化粧水を使用することが大切です。
洗顔のしすぎも肌の乾燥を招くため、1日2回程度に留めましょう。
2. 保湿
乾燥は肌の老化を加速させ、ほうれい線を目立たせてしまいます。
化粧水、乳液、クリームなど、肌のタイプに合った保湿アイテムを選び、丁寧な保湿ケアが大切です。
ヒアルロン酸やセラミドなどの保湿成分配合の製品がおすすめです。
特に夜のスキンケアは、日中のダメージを修復する重要な時間帯です。
たっぷり保湿して、睡眠中の肌のターンオーバーをサポートすることをお勧めします。
3. 抗酸化成分の積極的な摂取
活性酸素は、肌の老化を促進する大きな要因です。
抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンEを多く含む野菜や果物を積極的に摂取しましょう。
また、抗酸化成分配合の美容液を使用するのも効果的です。
ビタミンC誘導体配合の美容液は、肌への浸透性が高く、美白効果も期待できます。
4. 紫外線対策
紫外線は肌の老化の大きな原因です。
一年を通して、日焼け止めクリームを塗り、紫外線から肌を守りましょう。
SPF値の高い日焼け止めを選び、こまめに塗り直すことが大切です。
また、帽子やサングラスなどの日焼け対策グッズも活用しましょう。
紫外線対策は、ほうれい線予防だけでなく、シミやそばかすの予防にも繋がります。
よくある質問と回答
バッカルファットはダイエットで減らせますか?
はい。
自宅でできるほうれい線対策はありますか?
はい。
いくつかあります。
まず、十分な睡眠と保湿ケアは重要です。
質の良い睡眠は肌のターンオーバーを促進し、保湿ケアは肌の乾燥を防ぎます。
さらに、紫外線対策も徹底しましょう。
紫外線は肌の老化を促進する大きな要因の一つです。
日焼け止めを塗るなど、紫外線対策を心がけてください。
まとめ
バッカルファットとは頬の脂肪組織で、加齢により下垂することでほうれい線が深く刻まれる一因となります。
バッカルファットの下垂メカニズム、遺伝的要因や生活習慣の影響、そしてほうれい線以外の老化現象との関連性について詳しく説明しました。
最後に、自宅でできる効果的なセルフケア方法として、適切な食生活、運動、睡眠、保湿などを紹介しました。
ほうれい線でお悩みの方は、ぜひ当院に一度お問い合わせください。