「妊娠しましたが、ボトックス治療は受けてもいいですか?」「夫が妊活中にボトックス治療を希望しています」
このような質問を最近受けるようになりました。
ボトックス治療は手軽に受けられる治療のため、老若男女問わず人気の施術の一つです。
ただし妊娠中、授乳中、妊娠を希望する方はボトックスは禁忌です!
今回はその理由についても詳しくご説明します。
著者:ほうれい線治療専門クリニック
福岡Shiwa美容皮膚科 院長
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妊娠中のボトックスの使用についての研究
ボトックスはボツリヌス毒素を含み、通常は注射部位周辺でのみ作用します。
そのため、妊娠中の使用においても一部の専門家からは安全との意見が出されることがあります。
ただし、動物実験では有害な影響が見られたの報告があります。
例えば、胎児の体重減少や骨化の減少につながり、さらに流産や胎児の奇形が生じたとの報告もあります。
ただこれが人間にも同様かは確認されません。なぜなら人間の妊婦に対するボトックス投与の研究は倫理上不可能だからです。
そのためFDA(アメリカ食品医薬品局)はボトックスを妊娠カテゴリーCに分類しています。
これは、動物実験での有害な影響が認められたが、適切な妊婦に対する研究がないことを意味します。
しかし、人間の妊婦に対するボトックス投与で胎児死亡や流産の報告があるのも事実です。
よって妊娠中、また授乳中の方はボトックス治療は禁忌としています。
ボトックス投与後いつから妊娠は可能なの!?
女性の場合
ボトックス投与後3回の月経を経過したら妊娠は可能です。
男性の場合
男性の精子にもボトックスの影響のリスクがあるため必ずボトックス投与後3か月は避妊をしましょう
妊娠に気づかずボトックスを打ってしまった!どうしたらいい?
妊娠に気づかず、ボトックスを打ってしまった、ボトックス投与後3か月避妊せずに妊娠が成立したというお悩みもよく聞きます。
先述したようにボトックスは通常は注射部位周辺でのみ作用します。
そのため、妊娠中の使用においても一部の専門家からは安全との意見もあるぐらいです。
理論的にはボトックスの分子量は胎盤を通過できないほど大きく(分子量15万ほど)、胎児にまでは届かないとされています。
実際に、妊娠中に誤ってボトックス注射を受けた方でも、問題なく出産されたケースは多くあります。
大事なのは妊娠に気づいてからはボトックス治療をしないことです。
授乳が終わってからボトックス治療を再開しましょう。
まとめ
ボトックス療法は倫理的な観点から人間の妊婦に対する研究が確立されていません。
そのため妊娠中の女性、また妊娠を希望されている女性男性ともにボトックス治療は禁忌です。
授乳が終わって落ち着いてからボトックス治療再開しましょう
当院ではお子様連れでのご来院も可能です。いつでもご相談ください。